千葉県の本屋、『多田屋』さんを応援しています。

千葉のPARCOの中に『多田屋』という本屋さんが入っていて、そこによく行く。

 『多田屋』さんは、千葉県内に何店舗かチェーンを持っている、駅ビルやデパートによく入っているようなフロアの一部スペースを使っている本屋さんである。しかし、この本屋さんが少し変わっているのは、お店の広さの割に、映画や音楽の書籍がやたらと揃っていることで、それはジュンク堂紀伊国屋書店などのメガストアと比べても同じくらいか、メガストアの店舗によってはそれ以上の充実ぶりを誇っている。
 それはオシャレで少しミーハーな感じのもの(俳優本とか)ではなく、どちらかというと実用、技術、評論の固めの本が多く並べられ、なかなか渋いラインナップなのである。寺山修司の仕事集みたいな図鑑より分厚い本が、ドカドカと置かれていたり、Amazonでは在庫がないようなちょっと古めの書籍も置かれている。
 先日「切株映画の逆襲」という本を購入したが、後日その本屋に再び訪れた時にはまたきちんと本棚に並んでいた。そういう本でもきちんとバックオーダーをしているようである。都内ならまだしも千葉の本屋さんで何故ここまで、と首をかしげたくはなる。

 店内は照明も少し暗めでいつ行ってもあまりお客さんはいない。そんなちょっとだけ寂しい佇まいの本屋さんに渋い光を放っている書籍が並んでいる。バスチアン少年がコレアンダー書店で「終わりなき物語」を見つけたように、『多田屋』で本を手にする事は、俗世間から忘れられてしまった秘密の本に出会う感じを味わえる。あくまでも気分だけだけど…。

 HPを見たら『多田屋』さんは1805年から形を変えつつも200年続いている本屋さんであった。江戸時代、そしてベートーベンがバリバリ現役だった時代からである。映画、音楽、美術の本を読みたくなったら、千葉県民の方なら一度は足を運んでもいい本屋さんであると思う。

『多田屋』www.tadaya-jp.com/