2013年 お世話になったアルバム(11位〜20位)
一年を総括する時しか書いていないような気もしますが、今年よく聞いた、お世話になったアルバムです。昔のようにやたらめったらアルバムを聞いてから選ぶ季節は過ぎていて、好きなものだけをちまちま聞いてたら、逆にそれぞれ思い入れが深くなってしまい、絞れなくなってしまったので20枚です。ちなみに去年はアルバムベストをやってませんでしたが、2012年はTomato n' Pine『PS4U』の年でした。
20. ももいろクローバー『入口のない出口』
企画盤枠。ももいろクローバーのインディーズ時代の楽曲集。2ndアルバムより、ずっとこちらを聞いていました。歌もつたなく、プロダクションもまちまちですが、本人たちのパワーというか、人を引き込む魅力はやっぱり飛び抜けていて、どうやったって話題になったグループだと感じます。
19. Belle And Sebastian 『Third Eye Centre』
企画盤枠。最近のシングルB面やRemixを集めた楽曲集。落ち着いて心地よく聞けますが、緩いだけじゃない、尖ったセンスが随所に感じられて流石だなと思います。またライブも見たいです。
18. Smith Westerns『Soft Will』
イギリスのバンドみたいな音を出していますが、日系人兄弟を含むシカゴ出身のバンドのサードアルバム。今作はインディー然としたところから、明快なポップサイドに突き抜けた感じがしました。ドリーミーで退廃的だけど、そこに溺れない曲の良さにハッとしたりしました。
17. コトリンゴ『ツバメ・ノヴェレッテ』
コトリンゴさん、4枚目のフルアルバム。ピアノ、ドラム(パーカッション)、ベース、チェロの編成がベースですが、どこかサントラ的な音空間のつくり。以前のゆったりとしたポップスよりもどこか緊迫感が感じられて、聞くと背筋を正す感じになりますが、やっぱり良いです。今年は南波志帆さんとのライブを見ましたが、ピアノの響きが美しく、村田シゲさん、神谷洵平さんのリズム隊も強力で圧倒されました。
16. Iron & Wine『Ghost on Ghost』
4ADから出た、アイアン&ワインの新作。フォーク、カントリー的な土っぽさよりも、ブルーアイドソウル、AOR、ジャズなど若干都会的なトラックが印象的で、アルバム自体の風通しもグッとよくなった気がします。派手ではないけれど、すごく気持ちよく聞けますね。
15. 竹達彩奈『apple symphony』
声優さんのファーストアルバム。沖井礼二、末光篤、筒美京平、吉田哲人などの作家演奏陣がとにかく豪華で、実際力が入りまくったクオリティの高いJ-POPナンバーが並んでいました。アニメ声のヴォーカルに抵抗があって最初は声に馴染めませんでしたが、曲の良さで繰り返し聞いていたら次第に慣れてきました。どの曲もよく出来ていますが、特にラストの「リズムとメロディの為のバラッド」は出色で、沖井礼二さんの最高傑作かと思うほどスケールが大きく、感動的なポップナンバーです。
14. Bill Ryder-Jones『A Bad Wind Blows In My Heart』
ドミノから出た、元ザ・コーラルのギタリスト、ビル・ライダー・ジョーンズのセカンドソロアルバム。繊細でナイーブな曲が多いですが、こういう音には弱いですね。バッドリー・ドロウン・ボーイや、Eelsの渋い時の曲を想起させたりもします。「He Took You In His Arms」、「Wild Swans」の美しいPVも良かったです。
13. きのこ帝国『eureka』
きのこ帝国のファーストフルアルバム。ポストロックやシューゲイザーを鳴らす現行の日本のバンドはまだまだいると思うのですが、きのこ帝国だけ聞いていればとりあえず満足というところはあります。浮遊感のあるサウンドに乗る内省的な歌詞が、おじさんのわたしにも妙に引っ掻き傷を残すし、ラストナンバーの「明日にはすべてが終わるとして」は、開放感のあるポップなシュゲイザーで聞きやすいけれど、どこか退廃的な鑑賞感がある。「夜鷹」のVはファンビデオということですけど、アーカイブ映像のクオリティが完全にプロユースっぽいですね。
12. 住所不定無職『GOLD FUTURE BASIC,』
遅まきながらやっと今年に聞いた住所不定無職のセカンドフルアルバム。つたないふりして、実はめちゃめちゃ手練れたポップスコンポーザーであるところがずるいです。中村一義が出て来たときのような才能を感じます。アッパーでポップな曲調にかつてのboatを思いだしたりしましたが、実際に元boatのAXSXE(NATSUMEN)さんも参加していました。
11. My Bloody Valentine『mbv』
とうとう本当に世に出てしまったMBVの新作。ほとんど前作と印象が変わらないところ(CDだとだいぶクリアな音像になってる気もしますが)に逆に戸惑ったりしましたが、まぁとりあえずヘッドフォンで聞きまくることしか出来ないわけです。