2015年上半期にお世話になったアルバム

今年の音源はitunesの「2015年ALL」というプレイリストにぶちこんでいろいろ聞いてるんですけど、今年はいいアルバムがたくさん出てますね。以下はわたしが特に好きなアルバムです。

Blur『The Magic Whip』


Hot Chip『Why Make Sense?』


Toro Y Moi『What For?』


TV Girl『French Exit』


Cristina Quesada『You Are The One』


Alpaca Sports『Sealed With A Kiss』


Sufjan Stevens『Carrie & Lowell』

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2014年お世話になったアルバム(1位〜10位)

前回に引き続き、今年のアルバムを振り返りたいと思います。今年よく聞いた、たいへんお世話になったアルバム、10枚です。今回は1位から10位です。


10. Bishop Allen「Lights Out」


ブルックリン出身のインディポップバンド、5年ぶりの4作目。My Space全盛の頃は、ものすごい量の曲をアップしていました。今やすっかり活動は落ち着いてしまいましたけど、やってることは何もブレないところは、中途半端に時代を意識して失敗してるよりずっといいと思います。ナチュラルで、そこそこにポップ。派手ではないけど、明るいメロディの温度感がとても気に入っています。見かけはもっさりしてるけど、ソーキュート。ナードの星です。ジャケットも良い。


9. くるり「THE PIER」

もう何でもかんでも聞きまくるということは辞めてしまったので、音楽的な趣味が狭くなりましたが、こういう一枚のアルバムで様々な音楽の冒険をしてくれると、刺激を受けるのでありがたいです。曲のテーマを思いもよらぬところに着地させる展開もサマになっていて、なみなみならぬセンスがあるのだなと改めて思います。あらゆることにトライはするけど、過去の冒険もきちんと血肉化されてるのも感じられるし、自身の音楽をどこまで更新してしまうのかこれからも楽しみであります。あと録音が抜群にいいですね。すごくクオリティの高いサウンド


8. Real Estate「Atlas」

ニュージャージー出身のバンドのサードアルバム。前作も良かったけど、キラキラしたギターアンサンブルと、ヴォーカルハーモニーが絶品。BIG STARから続く伝統を継承するような胸をすくメロディも素晴らしいです。ギターポップバンドの良心を一手に引き受けてしまったような評価も納得の傑作だと思います。


7. Avi Buffalo「At Best Cuckold」

カルフォルニア出身のバンド、4年ぶりのセカンドアルバム。1st当時彼らはまだ10代後半で、高校を卒業してから本格的に楽器演奏に本腰を入れたようで、演奏はぐっとよくなっていますね。何よりアヴィグダー・ザーナー・アイゼンバーグ君の紡ぎだす小さなサイケポップが素晴らしく、すっかり信頼できるソングライターになっている。3年かけてレコーディング&オーヴァーダヴィングを繰り返したという肝の据わりようで、アレンジの無駄のなさ、サックス、クラリネット、ホルンの音色の選び方も心地よいところに着地していると思います。


6. Especia「Gusto」

デビューした当初は80年代のアーバンミュージックを今に体現するニッチなグループかと思っていたけど、一気に音楽的な深みを探究するモードにシフトしたアルバムは予想以上に素晴らしい出来で驚きました。80年代は重要なキーワードかも知れないけれど、もはや80年代かどうかはどうでもよい。モダンで艶やかなダンスミュージックであり、最高の週末のためのパーティサウンドであり、日常のステップを軽くさせるためのサウンドトラックであると思う。そして脇田もなりという他のアイドルグループではみかけないタイプの、がらっぱち感もありつつ、キュートなヴォーカルの存在感を示したアルバムでもあります。アルバムトータルとしての流れも澱みがなく、いつも通して聞きますね。

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2014年お世話になったアルバム(11位〜20位)

今年も一年を総括する時しか書いていませんが、自意識がとまらないため、今年よく聞いた、お世話になったアルバム20枚を書いてみたいと思います。今回は11位から20位です。


20. Nothing 「Guilty of Everything」

フィラデルフィア出身のバンドの1stアルバム。今年のシューゲイザー系のアルバムではいちばん聞きました。しかしメンバーのほとんどが全身にタトゥーを入れていて、この手のバンドにしては珍しいと思ったら、ヴォーカルの方はもともとパンクバンドを組んでいたようです。(ちなみに身内の方と喧嘩して傷害と殺人未遂の容疑で逮捕されたこともあるとか。これでアルバムタイトルが、「Guilty of Everything」ってすごいですね…。)それがどうしてこのようなサウンドを手がけるようになったのか不思議ですが、シューゲイザーの体裁をとりながら、甘さに沈殿しすぎることなく、ざらつきを残したギターサウンドや、強弱法に90年代オルタナバンドの影響も多分に感じさせるところが新鮮だし、ポップな聞きやすさもあります。タワレコの店員だったら「ラブレス meets サイアミーズドリーム」みたいなことをPOPに書くんじゃないでしょうか(DLで買ったので知りませんが)。Kurt Vile、The War On Drugsを手がけているJeff Zeiglerさんがプロデュースを手がけています。


19. 蓮沼執太フィル「時が奏でる」

フィルーハーモニー的な編成をとりながら、現代的な洗練されたセンスでまとめられたポップアルバム。優しげな男女ヴォーカルに、時折差し込まれる環ROYのラップ。はねるリズムに、生き生きとしたピアノ、パーカッション、ストリングス、ホーンが鳥のさえずりのように控えめに、時に束になって鳴り響く。木々の間に差し込む光のように心地よいです。


18. Sondre Lerche「Please」

ノルウェーの青年のニューアルバム。フランク・シナトラのようないにしえのポピュラーミュージックに対する愛情が底にあるけれど、レトロスペクティブに陥らず、自分なりに解釈して、そこに新鮮なサウンドをマッチさせようとする冒険と心意気が好きでアルバムが出るたびに聞いているんですが、今回はその傾向がより強く出たアルバムだと思います。「Phantom Punch」での元気のよさを取り戻しているし、時にセクシーな表情もみせる。アニマルコレクティブやグリズリーベアと共振するようなアレンジやコーラスワークが施されているところも微笑ましいです。


17. ナンバタタン「ガールズ・レテル・トーク

南波志帆さん+タルトタタンさんの合体ユニットのアルバム。最初は南波志帆さんの声の良さと噛み合ってないのでは?と思いましたけど、それは今まで聞いたことないことのない南波さんの声というだけで、聞き返してるうちに新しい南波さんの魅力もすっかり好きになってしまいました。楽曲もふぇのたす本体のアルバムより、こちらの方が冴えているのではと思うほど充実しています。「ナンバガ解散、マジか!」というつぶやきも吹き飛ぶ、SNS依存を揶揄した「コミュニケーション過剰です」、「ぱっぱ」など発語の快感にも溢れています。


16. Superfood「Don’T Say That」

バーミング出身バンドの1stアルバム。初期ブラーやスーパーグラスブリットポップ遺伝子が2014年にも生き延びているところが何より嬉しいけど、曲によってペイブメントのような90sUSインディーバンドも好きですアピールもするところが愛らしいです。今どきマンチェスターサウンドに正面から対峙せんとする、「You Can Believe」なんかすごくいいじゃないですか。先人と比べてしまうとまだ物足りなさもあるけれど、キラリと光るような瞬間もたびたびあって、これからもっと良くなるんだろうなと期待しています。

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2013年 お世話になったアイドルポップス(1位〜30位)

12月とはいえ、いくら何でも今年を振り返り過ぎじゃないか!とも自分で思いますが、毎年行事なので許してください。今年も元気にアイドルポップスを聞けました。ありがとうございました。

30. 「マジ感謝」チームしゃちほ MV
29. 「イジワルしないで 抱きしめてよ」Juice=Juice MV
28. 「GET YOU」BiSとDorothy Little Happy MV
27. 「バスルームでつかまえて」エレクトリックリボン MV
26. 「World World World」BELLRING少女ハート MV
25. 「トワイライト・パームビーチ」Especia MV
24. 「ジュエルメモリーズ」バニラビーン
23. 「ひとりぼっちのラビリンス」lyrical school MV
22. 「R.O.D.」ライムベリー MV
21. 「ハピ! ハピ! ハピバースデー! 」おはガールちゅ! ちゅ! ちゅ!
20. 「光」からっと☆ MV
19. 「Beat Goes On ! 〜約束の場所〜」RYUTist MV
18. 「手をつなごう」私立恵比寿中学 MV
17. 「My Graduation Toss」さくら学院 MV
16. 「WIDE MIND」BELLRING少女ハート MV
15. 「P.S.」lyrical school
14. 「neo disco」 GALETTe MV
13. 「恋するフォーチュンクッキーAKB48 MV
12. 「ALL NEW FEELIN'」キャラメル☆リボン MV
11.「イミシン☆かもだけど」Negicco MV


10.「We Did It」ライムベリー

フルートループが印象的なオールドスクールスタイルのラップナンバー。キュートな声のラップがのるだけでも十分楽しいけれど、古臭さを感じさせないバックトラックの格好良さは、何よりフロアでかかった時に強いですね。先日のTパレ感謝祭での熱狂もすさまじく、ライブアクトとしても魅力的だと思います。センターのMIRIちゃんの面構えもいいですね。堂々としたイイ顔。


9.「君の名は希望乃木坂46

上半期お世話になったアイドルポップス4位曲。アッパーでがちゃがちゃしたものが多いアイドルポップスの中で、曲の清楚さが却ってキラッと光っていたと思います。


8.「夏サンキュ!!!」おはガールちゅ! ちゅ! ちゅ!

最初聞いた時は、「こいしょ!!!」ほどのキャッチーさを持っていないように感じましたが、聞けば聞くほど楽しくなってきたスルメソング。曲中にフックのある仕掛けが随所に配置されてるんですよね。夏のキラキラを忘れたくないという刹那的なサマーソングであるところもキュンとします。


7.「マジ勉NOW_ feat.新井ひとみ(東京女子流)」 dancinthruthenights

MALTINEレコードからの配信曲。曲の良さもさることながら、背伸びした女子流の歌詞世界から、いきなり「勉強」というひーちゃんの日常に擦り寄せたテーマと、ファルセット使いなどの明るいメロディで彼女の新たな魅力を引き出した手腕が見事だと思いました。声のミックスも強く加工せず、生っぽいところも正解。彼女の以前の口癖、「だっちゃ!」をコールさせる仕組みも、愛らしい彼女の等身大を感じさせてファンとしては嬉しかったです。サイドプロジェクトの自由さと緩さを生かしたアイデアの勝利だと思います。


6.「大好きだよ」私立恵比寿中学

上半期お世話になったアイドルポップス1位曲。ゆるいテンポの曲ですけど、長く歌われる曲になるといいなと思います。

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2013年 お世話になったアルバム(1位〜10位)

12月は、1年を振り返るのに適した月だと思います。2月だとまだ早いですし、10月でももうひと声!と言った感じですので、やはり12月ですね。なので、前回に引き続き、今年のアルバムを振り返りたいと思います。今年よく聞いた、たいへんお世話になったアルバム、10枚です。

10. 徳永憲『ねじまき』

8枚目のアルバム。いつからか素っ頓狂な歌い方や、皮肉に満ちた歌詞は影を潜め、ますます落ち着いてきている印象ですが、「無邪気な子猫を見た 不思議な光景だ 僕より早く死ぬのに あんなにも幼い」みたいな少しだけドキッとするような彼の視線は変わらずだと思います。フォーク、カントリーが下敷きにありながらも、曲は他にあまり似たものがないように感じますが、それでもポップで十分聞きやすいので、よくリピートしたアルバムです。


9. 大森靖子『絶対少女』

ラッパーさんのようにカジュアルで新鮮な彼女の歌詞が、リズムも自在に変化する独特のメロディーに載せて歌っているので、最初は掴みどころがないように感じましたが、聞き慣れてくると、ふっと口ずさんでしまう中毒性があることに気付きました。「君と映画」は代表作のひとつになりそうな名曲ですね。タンポポのカヴァー、「I & YOU & I & YOU & I」も完全に自分の曲として消化していて、新鮮に聴けました。


8. BMX BANDITS『In Space』

グラスゴーのインディポップバンド、5年ぶりのフルアルバム。2012年の12月に出たのですが、今年も引き続きよく聴きました。ダグラスさんのヴォーカルやアレンジは相変わらず人懐っこく愛らしいです。60〜70年代ソフトロックへの憧れを鳴らし続けていたら、いつの間にか先人達に並ぶような成熟度を纏うようになった気もします。ポップアルバムとしての完成度もすごく高いです。ダグラスさんのようなおじさんになれたらいいなとよく思いますが、ただのほほんとしてればいいわけではなく、気合いを入れてきちんと精進してるのだと感じます。今年ひっそりリリースされた「Beautiful Friend」EPのB面、「Children Song (With Miette-One) 」も名曲で、まだまだこれからの活動も楽しみにしています。


7. lyrical school『Date course』


改名して、T-Palette Recordsに移ってからのファーストフルアルバム。これはトータルアルバムとしてすごくいいですね。明るい昼間のように楽しく進む前半から、夜中になって内省したり、寂しさを吐露したような後半の流れは、わたしたちの一日の流れに沿うようでもあります。そしてこのアルバムのすごいところは、ラストナンバーに「Myかわいい日常たち」という、情緒的な後半から一転するこの少しコミカルで明るいナンバーを持って来ているところで、その中で彼女達はそんな普通な毎日さえも「かわいい」とし、またそこに帰ってきて「ただいま!」と笑って宣言する。その逞しさにわたしはどうにも涙してしまうのでした。江口寿史さんが描かれたアルバムジャケットもいいですね。


6. BELLRING少女ハート『BedHead』

若い女の子のラフなヴォーカルを載せるのが、クラシカルなブリティッシュポップというところがニッチでずるいなと思いますが、セルジュ・ゲンズブールのプロデュース作に似たコケティッシュさを感じさせてすごくいいです。そして音楽に対するその本気具合に、日本のポップスシーンに楔を打ち込むような野心が感じられて、どうにも燃えます。

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2013年 お世話になったアルバム(11位〜20位)

一年を総括する時しか書いていないような気もしますが、今年よく聞いた、お世話になったアルバムです。昔のようにやたらめったらアルバムを聞いてから選ぶ季節は過ぎていて、好きなものだけをちまちま聞いてたら、逆にそれぞれ思い入れが深くなってしまい、絞れなくなってしまったので20枚です。ちなみに去年はアルバムベストをやってませんでしたが、2012年はTomato n' Pine『PS4U』の年でした。

20. ももいろクローバー『入口のない出口』

企画盤枠。ももいろクローバーのインディーズ時代の楽曲集。2ndアルバムより、ずっとこちらを聞いていました。歌もつたなく、プロダクションもまちまちですが、本人たちのパワーというか、人を引き込む魅力はやっぱり飛び抜けていて、どうやったって話題になったグループだと感じます。

19. Belle And Sebastian 『Third Eye Centre』

企画盤枠。最近のシングルB面やRemixを集めた楽曲集。落ち着いて心地よく聞けますが、緩いだけじゃない、尖ったセンスが随所に感じられて流石だなと思います。またライブも見たいです。

18. Smith Westerns『Soft Will』

イギリスのバンドみたいな音を出していますが、日系人兄弟を含むシカゴ出身のバンドのサードアルバム。今作はインディー然としたところから、明快なポップサイドに突き抜けた感じがしました。ドリーミーで退廃的だけど、そこに溺れない曲の良さにハッとしたりしました。

17. コトリンゴ『ツバメ・ノヴェレッテ』

コトリンゴさん、4枚目のフルアルバム。ピアノ、ドラム(パーカッション)、ベース、チェロの編成がベースですが、どこかサントラ的な音空間のつくり。以前のゆったりとしたポップスよりもどこか緊迫感が感じられて、聞くと背筋を正す感じになりますが、やっぱり良いです。今年は南波志帆さんとのライブを見ましたが、ピアノの響きが美しく、村田シゲさん、神谷洵平さんのリズム隊も強力で圧倒されました。

16. Iron & Wine『Ghost on Ghost』

4ADから出た、アイアン&ワインの新作。フォーク、カントリー的な土っぽさよりも、ブルーアイドソウル、AOR、ジャズなど若干都会的なトラックが印象的で、アルバム自体の風通しもグッとよくなった気がします。派手ではないけれど、すごく気持ちよく聞けますね。

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[映画]SF映画ベストテン

ワッシュさんの「SF映画ベストテン」に参加させていただきます。
SF映画の醍醐味というのは、真新しいビジュアルとかいろいろありますが、わたしの中では、「時間軸」をどう扱って見せているか、というのが一番のポイントですね。それはタイムトラベルに限ったことではなくて、例えば、スティーブン・キングの短編『ジョウント』では、人間を瞬間移動させる装置が出てくるのですが、その装置を使う時には被験者は眠ってる状態でなくてはいけないという決まりがあります。しかし主人公の少年は、起きている状態で瞬間移動装置に入ってしまい、体は一瞬で移動するのですが、起きている「精神」はその一瞬で永遠を体験してしまいます。読者は読み進めながら、その「永遠」という、自分の知らない途方もない時間軸を目一杯想像することになるわけで、そういうところがSFの面白さだと思っています。人間が数字を発見し、日常の中に「時間」という規定を設けて、今はそれが当たり前になって生きているわけですが、その枠を超えた時間をさらに想像してみる試みがSFなんじゃないかと。画やガジェットの魅力よりもそういう刺激的な発想を求めて、SF映画を観にいってるところはありますね。前置きながくなりましたが、以下10本挙げてみます。順不同です。
バック・トゥ・ザ・フューチャー [DVD]猿の惑星 [DVD]恋はデジャ・ブ [DVD]ミッション:8ミニッツ [DVD]A.I. [DVD]
ウォーリー [DVD]2001年宇宙の旅 [DVD]ブレードランナー クロニクル [DVD]ターミネーター [DVD]26世紀青年 [DVD]

バック・トゥ・ザ・フューチャー
(1985年米/監督ロバート・ゼメキス

猿の惑星
(1968年米/監督フランクリン・J・シャフナー

『恋はデジャブ』
(1993年米/監督ハロルド・ライミス)

ミッション:8ミニッツ
(2011年米/監督ダンカン・ジョーンズ

A.I.
(2001年米/監督スティーヴン・スピルバーグ

WALL・E
(2008年米/監督アンドリュー・スタントン

2001年宇宙の旅
(1968年米英/監督スタンリー・キューブリック

ブレードランナー
(1982年米/監督リドリー・スコット

ターミネーター
1984年米/監督ジェームズ・キャメロン

26世紀青年
(2006年米/監督 マイク・ジャッジ

バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、偶然自分の両親が若かった時代にタイムスリップしてしまう話ですが、自分が過去に来てしまったせいで、1985年の自分の存在が危うくなってしまうという設定が面白いですよね。両親の仲がうまく行かなそうになると、1985年の自分の写真が消えかかってしまうところも、画で見せるとわかりやすくていいです。ちなみに『バタフライ・エフェクト』は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の変奏のような気がしますが(そうでもないか)、人は幼い頃のトラウマに一生左右されてしまうからその根本の出来事を変えなきゃハッピーになれない、という決め事がどうも重くて苦手です。トラウマになる出来事から現在の登場人物まで全く成長がなくて、その間の時間が感じられない。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、シリアスにやれば重い話になるかもしれないですけど、コメディとして撮られてるから観る方はだいぶ気が楽でわたしは好きです。

猿の惑星』のラストは小学生ながらにガーンときました。『猿の惑星・征服』、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』も好きですけど、シリーズ化してもそこそこ面白いのは、やっぱり最初のこの設定が秀逸だからじゃないかと。

『恋はデジャブ』は、毎日を繰り返してしまう男の話。時間軸の取り方としては、これもSFじゃないかと。設定が近い『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と悩みましたけど、ビル・マーレーは観てて飽きないなと思ってこっちにしました。

ミッション:8ミニッツ』は、8分間だけを繰り返しさせられる男の話。ダンカン・ジョーンズは、『月に囚われた男』もめちゃめちゃ好きでルックとしてはこちらの方がSF然としてますけど、時間の話の方で『ミッション』を選びました。

スピルバーグは、『マイノリティ・リポート』、『E.T.』、『未知との遭遇』も素晴らしいですけど、SF映画として『A.I.』を。『E.T.』『未知との遭遇』は、わたしたちの日常ベースの話ですけど、『A.I.』は日常から遠く離れて、途方もなく壮大な空間や時間を主人公と一緒に巡る体験が最高です。壮大すぎてポカーンとしそうになるところも含めて。主人公のことを鑑みるとえらい切ない話であるところもグッときます。

WALL・E』は、オープニングから最高ですね。主人公が孤独に過ごして来た膨大な時間が、数分の映像だけで説明される感じが映画として素晴らしいと思います。『オブリビオン』にも近しいところを感じましたが、『WALL・E』の後ではちょっと辛いかな。『オブリビオン』は、SF映画とかまだちゃんと知らない小学生の時とかに鑑賞してたら、最高の映画体験にはなるように思いますけどね。

2001年宇宙の旅』は、お猿さんの投げた骨が一瞬で宇宙船にシンクロところがいいですね。まぁちゃんとその意味を把握できたのは解説とかいろいろ読んだ後ですが。

リドリー・スコットは、迷った末に『ブレードランナー』に。映像の素晴らしさもさることながら、レプリカントの設定がいいですよ。寿命の捉え方がすごくSF的じゃないかなと。迷ったのは『プロメテウス』で、ヘンテコなところもありますけど、壮大な時間が流れた星に、わたしたちと同じ時間軸を過ごしている地球の人間がポーンと投げ込まれる感じがいいなと思います。映画の出来としては、『エイリアン』『エイリアン2』の方が上なんでしょうけど、壮大な時間を上映中ずっと感じられるというところにおいて、『プロメテウス』がいちばんSF映画してる感じがします。

ターミネーター』も、未来から人が来ることで主人公の運命が変わってしまうところが面白いですね。最近の『LOOPER/ルーパー』も未来から人が来る話で、これもSFとして面白いなと思ったんですけど、中学生の時の『ターミネーター』体験を超えたわけでもなかったので、個人の思い入れでこっちに。

26世紀青年』は、起きたら未来だったという時間軸の捉え方としてはシンプルすぎる映画ですけど、日々生活していると、『26世紀青年』でのバカ話がどんどん現実的なものに思えてきて、何度もこの映画のことを思い出しますね。やたら身近に感じられる映画としてこれを挙げたいと思います。

その他の候補は、『スター・ウォーズEP4』、『スキャナー・ダークリー』、『銀河ヒッチハイクガイド』、『サイレント・ランニング』、『ドニーダーコ』、『ガタカ』、『未来世紀ブラジル』なんかがありましたが、わたしとしては以上です。
今年の結果も楽しみにしています。